投資に興味をもつ人の間で人気が高まっているバイナリーオプションですが、「バイナリーオプションで破産した」という人も増えています。このブビンガバイナリーからの記事ではバイナリーオプションでの破産の原因と破産を回避する方法について紹介します。
バイナリーオプションで大損するのは破産ではない
バイナリーオプションは為替相場や株価指数の上下を予測してオプション料を支払い、予測が当たれば一定の金額が払い戻しされる(ペイアウト)という取引方法です。オプション料と払い戻しの金額の差額が利益になります。予想が外れると支払ったオプション料は損失になります。※金融庁ホームページ「バイナリーオプションとは」参照)
「バイナリーオプションで破産した」という言葉が出回っていますが、バイナリーオプションは投資方法の一つであり、その運用は自己責任です。バイナリーオプションで大きな損失があったとしても資産管理が十分であれば、破産という事態に直結するわけではありません。
バイナリーオプションの破産の原因は借金
「バイナリーオプションで破産した」という事態をかみ砕いて説明すると、「バイナリーオプションで損失が重なり、損失を補うために、そしてさらなる投資資金を得るために金融機関や消費者金融に借り入れを繰り返し、負債が大きくなって返済の見通しが立たなくなってしまった」ということです。
つまり破産の原因は「返済の見通しが立たなくなるまで借金をした」ということになります。
バイナリーオプションで借金をする5つの理由
バイナリーオプションの取引で自己資産を使い果たすだけではなく、借金までして破産するという事態になってしまう理由について考えてみましょう。大きく分けて3つの理由が考えられます。
根拠のない取引をしてしまう
バイナリーオプションは取引の仕組みがシンプルなため、「単に為替相場や株価指数の上下を予測するだけ」と誤解し、ギャンブルの勝ち負けのように直観や単純な予測で根拠のない投資をしてしまう人もいるようです。そのような根拠のない取引を繰り返すことは、バイナリーオプションで大きな損失を出すことにつながります。
そもそも投資で利益を上げるにはレートに関する高度な知識やリスク管理による合理的な判断が必要であり、専門知識があったとしても相場を正確に予測し続けることは不可能に近いと言っていいでしょう。
そのような投資判断の難しさを考えれば、一定時間後の値動きをピンポイントで予測するバイナリーオプションにおいて、利益を出し続けることは難しいということが分かるはずです。
資金管理ができない
バイナリーオプションのオプション料は比較的安く、取引における損失額はオプション料に限定されます。1回の取引で予測が外れたとしても自己資産に大きな影響はありません。
またバイナリーオプションでは短時間で損益結果が判明するため、「今回の損失はたいしたことではない」、「今回の損失を補うためにまた取引を行う」という思考になりがちです。
そのような思考の元、自己資金の管理を行わないまま短期間で取引を繰り返す、さらには損失が重なって、自己資金が減っているのは分かっていながら利益を出すまで取引を止められないという方は、「資金管理ができない」という理由で破産するほどの借金をしてしまう可能性があります。
詐欺にあう
バイナリーオプションでは取引による損失だけでなく、バイナリーオプションを巡る詐欺によって大きな損失を受けるおそれがあります。
金融庁も注意喚起を呼びかけていますが、情報商材詐欺や海外無登録業者による出金拒否など、大きな資産損失や借金に繋がりかねないため、十分な注意が必要です。
※金融庁ホームページ「V このようなトラブルには特にご注意ください」参照
情報商材詐欺
「バイナリーオプションで100%利益を上げる方法を教えます」などといった謳い文句で高額な情報商材を販売する詐欺が増えています。「この方法を使えば教材費をすぐに取り戻せるほどの利益を出すことができます」「今だけ、限定人数にしか教えません。」といった文言に騙され、大きな金額を支払ってしまう人もいるようです。中には「すぐに利益を取り戻し、返済できる」という思い込みで借金をしてまで情報商材を購入してしまったケースもあります。
大きな損失を招かないために、バイナリーオプションはもちろん、全ての投資において「100%確実に利益を出し続ける」ことは不可能であること、SNS上で知り合った人からの「楽に稼げる話」は信用性がかなり低いことを忘れないようにしましょう。
海外登録業者による出金拒否
無登録業者でバイナリーオプションの取引を行い、仮に利益が出たとしても「〇〇円以上の利益が出なければお金を引き出せない」などと言われ、結局はオプション料をだまし取られたといったケースや「利益を引き出す手続きをしたのに自分の口座に反映されない」というケースが増えています。
無登録業者と取引した場合、このようなトラブルが生じても「自己責任」になり、無登録業者への追及は非常に困難です。
取引をする前には必ず取引相手が金融商品取引法による登録業者であることを確認しましょう。
バイナリーオプションで破産しないための5つの方法
先述したように、バイナリーオプションはあくまでも投資の取引方法の一つであり、自己責任で行うもので、しっかりとしたリスク管理が必要です。
「バイナリーオプションの取引で破産する」というリスク管理のための方法を5つ紹介します。
取引ルールを作り、それを守る
バイナリーオプションで取引を開始する前に、自分の資産や状況に合わせ、例えば1日のうちに行う取引回数や1か月間の投資にかける金額、取引する通貨ペアの数などについての「取引ルール」を作りましょう。取引ルールの例を紹介します。
【取引ルールの例】
ルール | 内 容 |
1日の取引回数 | 5回までとする |
1か月間の投資金額 | 最大3万円 |
取引する通貨ペア | ドル/円 |
1回あたりの取引損失額の上限 | 全投資資金の2%まで |
1回あたりの取引損失額を全投資資金の2%内に収めるというルールは、プロトレーダーでありトレーディング指導者でもあるアレキサンダー・エルダー氏の「成功したトレーダーのほとんどが、1回のトレードにおける損失リスクを資金の2パーセント以内にしている」という著述を元にした、投資家の間では有名なルールです。
※アレキサンダー・エルダー著「投資苑2」参照
一番大切なことはこの取引ルールを徹底して守ることであり、どんなに利益が出た場合でも、損失額が取り戻せない場合でも「例外」を作らず、冷静に取引を行うことです。
余剰資金で取引する
余剰資金を分かりやすく言うと、自分の貯蓄や給料の中から生活費や支払いが必要なローンや税金、そして非常時の蓄えを除いた「使い道が定まっていないお金」を指します。
バイナリーオプションの取引を行う場合は必ず余剰資金内で行いましょう。そうすれば取引で生じた損失によって余剰資金が無くなることはあっても、日常生活に支障はなく、破産のリスクもありません。
バイナリーオプションについて学ぶ
金融庁が注意喚起しているように、バイナリーオプションは為替相場の上下を予測するだけの取引ではなく、実際は複雑な理論的根拠に基づく金融取引です。
※国税庁ホームページ「II バイナリーオプション取引のリスク」より引用
利益を出すためだけではなく、破産のリスク管理のためにもバイナリーオプションについて学ぶ必要があります。
学ぶ方法は様々ですが、不確かな情報に惑わされないよう、信頼性の高い教材や情報を選ぶようにしましょう。
【バイナリーオプションについて学ぶ方法の例】
勉強方法 | 長所 | 短所 |
書籍で学ぶ | 著名な投資家や専門家の著作は信頼性が高いものが多く、投資に対する考え方や成功術について繰り返し確認するでき、投資理論を学ぶことができる | バイナリーオプションはまだ運用歴が短いため、バイナリーオプションに関する書籍は非常に少ない テクニカル分析に関しての書籍はバイナリーオプションにも転用できる |
ブログや動画で学ぶ | プロトレーダーのブログや動画は実体験から積み上げたノウハウを参考にしやすい 特に実際の取引の様子を発信している動画は取引の内容やタイミングを学ぶことができる | 間違った情報が発信される可能性や詐欺にあう可能性もあるので、一つの情報を過信しすぎず、複数のブログや動画で情報の信ぴょう性を確認することが必要 |
証券会社等が提供しているデモトレードで学ぶ | 損益を気にせずに自分が学んだことを試すことができる 取引画面の操作性を身につけることができる | 取引についてのマニュアルや解説がないため、取引についてある程度の知識が必要 |
さらに投資を学ぶために、取引における損益収支表を作成することをおすすめします。
「損益収支表を作成する」と聞くと難しく感じるかもしれませんが、1日または1か月間の投資についての家計簿をつけるつもりで始めてみましょう。
バイナリーオプションのような単純な投資取引だからこそ、損益収支表を作れば自分の取引の癖やパターンが明確になり、投資との付き合い方を学ぶことができます。
さらに損益収支表を作成することによって取引に使った金額や損益額など、自分の投資状況を客観的にとらえることができ、破産に対するリスク管理にもつながるはずです。
FX会社が無料で提供している未来予想チャートを利用する
未来予想チャートとは金融関係向けのサービスを提供している「Centillion Fintech 株式会社」が開発した形状予測チャート機能です。様々なFX会社が独自の機能を付加し、レートの動きを予測するツールとして無料で提供しています。
未来予想チャートは、レートの瞬間瞬間の動きを視覚的に捉えることができるので、「売買の方向」が明確になります。
売買の方向を予測するバイナリーオプションの投資には大変便利なツールです。
未来予想チャートの例として、SBI証券が提供している「形状予測チャート」を紹介していきます。
※SBI証券のホームページより引用
赤いラインは上昇トレンド、緑のラインはレンジ相場、青いラインは下降トレンドです。画面を見ただけで近い将来のトレンドが予測できます。このような未来予想チャートを利用すれば、相場の流れがつかみやすく、投資初心者や値動きを冷静に判断できない方でも、大きな損失を繰り返すということにはならず、バイナリーオプションの取引で破産するというリスクを避けられるのではないでしょうか。
怪しいバイナリーオプションブローカーは避けよう
バイナリーオプションで詐欺の被害にあい、大きな損失を受けたことが破産につながることもあります。
出金を拒否される被害だけではなく、怪しい業者に個人情報登録したために「投資話に関心があり、騙されやすい人物」としてさらに悪質な業者に情報を流されてしまったり、クレジットカードや銀行口座情報を悪用される被害にも注意が必要です。
日本でバイナリーオプションの取引を行う業者は、国内・海外を問わず必ず日本の金融商品取引業の登録を行うことを求められます。登録を受けずに日本に居住する人にバイナリーオプションの取引を行うことは禁止されており、無登録の業者は信頼性が非常に低いです。
※金融庁ホームページ「III 無登録業者との取引にはご注意ください」参照
バイナリーオプションの取引を行う場合は、詐欺被害を避けるためにもそのような信頼性の低い業者を避け、金融商品取引業の登録を受けているブビンガバイナリーをおすすめします。
バイナリーオプションで破産したらどうする?
バイナリーオプションの取引で損失を繰り返して資金が足りなくなり、それでも取引を止められず返済の見通しが立たなくなるまで借金をして破産した場合、借金の問題は債務整理で解決しましょう。
債務整理には自己破産や任意整理、個人再生手続きなどの方法があります。いずれも手続きが簡単ではなく、法律の知識も必要なので、債務整理を行う際はまず弁護士に相談することをおすすめします。
自己破産
自己破産とは、裁判所に負債の支払いが不可能と認めてもらい、財産を処分する代わりに負債の返済義務を免除してもらうものです。
「バイナリーオプションなど投資による負債は自己破産できない」という話もあります。
これは「投資による負債」が裁判所が定める「免責不許可事由(負債の支払い免除が受けられない要件)」に該当するからです。
【裁判所が定める免責不許可事由】
① 破産手続や免責手続において虚偽の説明・陳述をした場合
② 浪費やギャンブルによって負債を増やした場合
③ クレジットで購入した商品をすぐに換金して負債を増やした場合
④ 財産を隠したり,価値を減少させるような行為をした場合
⑤ 支払能力について,債権者を欺いた場合
⑥ 過去7年以内に確定した免責許可決定を受けている場合
※裁判所ホームページ「自己破産の申立てを考えている方へ」より引用
バイナリーオプションの取引による債務は③の事由に該当します。
しかし自己破産は負債で生活苦に悩む人を救済し、自立を促すための制度です。投資による債務も裁判所の判断で免責される場合が多くなりました。
自己破産の手続きは、申立書を作成し、証拠書類の写し等を添付して居住している地区を管轄する地方裁判所又はその支部に提出するとともに、予納金を納付するという流れです。書類の作成などに法律的な知識が必要であること、裁判所の判断次第では債務免責が認められない場合もあるので、自己破産の手続きについてはあらかじめ弁護士に相談することをおすすめします。
任意整理
任意整理とは、金融機関や消費者金融などの債権者と和解交渉を行い、遅延損害金の免除や返済期限の延長など、返済の条件を緩やかにしてもらうことによって、借金を返済しやすくする手続きのことです。
他の方法と比べて負債の減額効果は小さいですが、必要書類が少なく手続きも比較的簡単で、自家用車や不動産などが処分されることはありません。
手続きが簡単と言っても、債権者との交渉は揉める場合もあります。任意整理も債務整理の知識が豊富な弁護士に依頼する方がよいでしょう。
個人再生手続き
個人再生手続きとは住宅ローン等を除く債務の総額が50,000,000円以下の人が債務の返済ができなくなった場合、将来の再生計画を裁判所に認められれば、その計画に沿った返済を行うことによって残りの債務が免除されるというものです。
バイナリーオプションの取引をはじめ、投資による債務も対象となり、債務の大幅な減額が可能になります。
再生計画の作成など、専門的な知識が必要なため、個人再生手続きも弁護士に依頼するのが一番です。
バイナリーオプションの破産の原因・回避する5つの方法のまとめ
バイナリーオプションの破産の原因や破産を回避する方法、破産の対処法等について説明しました。
バイナリーオプションは投資の取引方法の1つであり、十分な資金管理や投資のリスク管理ができていれば、破産につながることはありません。
「楽して確実に簡単に稼げる」という投資はないことを常に忘れず、正しい知識をもって健全な投資を行いましょう。
よくある質問:
🟦 Q) バイナリーオプションで破産する可能性はありますか?
A) はい、それは可能です。バイナリーオプションは高リスクな投資手段であり、資金を全て失う可能性があります。したがって、理解と経験が不足している場合や、リスク管理を適切に行わない場合、破産のリスクがあります。
🟦 Q) バイナリーオプション取引で破産を避けるためにはどうすればいいですか?
A) まず、バイナリーオプションは高リスクな投資であると理解することが重要です。そして、リスク管理の戦略を立て、それに従って投資することが重要です。さらに、取引を開始する前に、バイナリーオプション取引の基礎知識と戦略を学ぶこともおすすめします。
🟦 Q) バイナリーオプション取引で大損した場合、どうすればよいですか?
A) 大損した場合は、まず損失の原因を分析することが重要です。それがリスク管理の失敗、知識不足、市場の急変など何であれ、それを理解することで同じミスを繰り返すのを防げます。また、フィナンシャルアドバイザーや専門家に相談することもおすすめします。
🟦 Q) バイナリーオプション取引で破産した場合、再スタートは可能ですか?
A) 法律的な観点から見ると、破産した後の再スタートは可能です。しかし、それには時間と労力が必要ですし、信用スコアにも影響を及ぼす可能性があります。破産を経験した場合、金融計画や投資戦略を見直すことを強くおすすめします。また、専門家に相談することも重要です。